カメラ対応AkaDako生成AI(β)-Society 5.0時代の新しい学びへ-

はじめに
AkaDako生成AI(β)は、児童・生徒が自分のアイデアを具体的な形にする体験を大切にし、その創造的な学びを支援するために開発された、学校現場向けの生成AIツールです。こうした体験は、自己効力感や課題解決力を育む上で非常に重要ですが、学校現場においては授業時数が限られているため、十分に提供するのは容易ではありません。
AkaDako生成AI(β)は、生成AIの力を活用して、限られた時間の中でも子どもたちの発想を素早く形にし、深い学びにつなげることができます。APIキーの管理や年齢制限、安全性への懸念といった従来の課題にも対応しており、先生方が安心して授業に取り入れられる環境を整えています。
探究学習やSTEAM教育、中学校技術科の双方向型授業や高校情報科の授業など、日本が目指すSociety 5.0の実現に向けた最先端の教育活動を力強く支援していきます。
特徴

この機能は、人間の思考にたとえて考えると理解しやすくなります。
Webカメラは「目」のように映像を捉え、生成AIはその映像を「脳」のように解釈します。
子どもたちは、Webカメラに写った画像(AIが目で見た画像)に対して「これは何?」「どうすればいい?」とAIに問いかけることで、AIの考えを知ることができます。
この流れをScratchのブロックで学べるのが、AkaDako生成AI(β)の大きな特長です。
カメラ映像の質疑応答:
Scratchのステージ上に表示したWebカメラの映像について、AIに質問するとその内容に基づいた回答が得られます。例えば、カメラに映った物体に対して「これは何ですか?」と聞くと、AIが画像を解析して答えてくれます。この機能により、画像認識を活用したインタラクティブな作品や学習アプリを簡単に開発できます。
AkaDakoデバイスとの連携:
フィジカルコンピューティング教材であるAkaDakoのデバイス(※センサーやアクチュエーターを接続できるScratch拡張ボード)と組み合わせて使うことができます。通信機能も備えており、AIの回答結果を遠隔地に伝えたり、センサー入力やアクチュエーターと連動させたりすることが可能です。教室内だけでなく、離れた場所との協働学習やIoT的なプロジェクトにも発展させることができます。
学校で安心して使える設計:
文部科学省が2024年12月に公表した「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」に準拠して開発されています。クラウド基盤にAWS Bedrockを採用しており、プライバシー対策やセキュリティ対策も業界トップクラスの水準で実現しています。また、教師の管理下で使えるよう利用制限やログ閲覧などの管理機能も備えています。
児童・生徒に配慮した利用環境:
通常、生成AIをアプリで利用する際にはサービスのAPIキーが必要ですが、AkaDako生成AIではAkaDakoデバイス自体がこのAPIキーの役割を果たします。そのため、子どもたち自身が難しい設定を行う必要がなく、年齢制限や利用規約の問題を気にせず安心してAI機能を使うことができます。
教師向けサポート:
本ツールを安全かつ効果的に活用するために、事前のオンライン研修が提供されます。教師の方々は研修で使い方や留意点を学び、不安を解消した上で授業に臨めます。また、授業での具体的な活用アイデアについても開発元からサポートが受けられるため、初めてでも安心です。
授業スライドの提供:
先生がすぐに授業で使うことができる授業スライドをオフィシャル教材集で提供しています。このスライドは、AkaDako生成AIを活用し、児童生徒がAIと協力して問題解決に取り組む活動となっています。AkaDako生成AIの基本的な使い方を習得し、生成AIの機能を組み入れたアプリ開発体験を通して、AIとの共創による新しいものづくりの可能性を探ります。
最新AIモデルへの対応:
現在、本システムではマルチモーダル(画像+テキスト)の処理性能に優れたGPT-4o miniという大規模言語モデル(LLM)を使用しています。技術の進歩にあわせて、常に最適なAIを授業で活用できるようになります。
活用例

カメラ対応AkaDako生成AI(β)は、「カメラ=目」「生成AI=脳(のう)」と考えると、使い方のイメージがぐっとわかりやすくなります。
カメラで見たものをAIが考えて説明してくれる――まるで、自分の目で見たことを頭で考えて言葉にする人間のようです。
「そんなの、目で見りゃわかるよ」ということも、実は機械にとってはとてもむずかしいことでした。でも、カメラ対応AkaDako生成AI(β)なら、それができるようになります。
カメラ対応AkaDako生成AI(β)を使えば、どんな便利なものが作れるでしょうか?
たとえば、人がずっと見ているのがむずかしい場面で、「見て、考えてくれる」機械があったら便利だと思いませんか?
これは、まだ身のまわりにはあまりない、最先端の技術です。
児童生徒自身がアイデアをかたちにし、最先端の製品を作り、未来のイノベーションを生み出すかもしれません。

Scratchは、Webカメラの映像をステージに表示させることができます。このステージについて、AkaDako生成AI(β)に質問をすると回答を返します。
- 駐車場の空き状況確認: 校庭や駐車場の映像に対して「駐車場は空いていますか?」と質問すると、AIが映像を解析し「はい、駐車場は空いています」などと現在の空き状況を答えてくれます。
- レシピ提案: ニンジンやジャガイモ、卵といった食材をカメラに映し、「この食材で作れる料理を教えて」と尋ねると、AIが映った食材から「ポテトサラダが作れます」など献立のアイデアを提案してくれます。家庭科の授業での活用にも役立ちます。
- 風景の音声ガイド: 美しい風景の写真を見せて「視覚障害のある人向けに景色を説明して」と質問すると、AIが「夜空が美しい。水面に映る街の灯りが~」といった情景描写の文章を生成します。その文章をScratchの音声合成機能で読み上げれば、目の不自由な子どもたちに風景の様子を伝えることができます。
- 鳥の個体数カウント: 野外で撮影した鳥の写真に対して「鳥は何羽いますか?」と尋ねると、AIが画像内の鳥の数を数えて「スズメが4羽います」などと回答します。さらに、その答えをScratch上のリストに記録しておけば、生物観察のデータを蓄積して後で分析することも可能です。
他にも、色々なアイディアを考えられそうです。児童生徒と一緒にアイディアを形にしてみませんか?
導入方法
現在、AkaDako生成AI(β)は試験的にパイロット校を対象に提供されています。利用を希望される学校や先生は所定のパイロット校募集にお申し込みいただく必要があります。第1期募集は既に終了しましたが、今後は追加募集の実施や個別の相談にも応じる予定です。パイロット校に採択された場合、対象学年は小学校5年生以上で、参加校の学校名(または自治体名)がパイロット校一覧として公表されます。また、事前のオンライン研修への参加や実践後の簡単なレポート(フィードバック)の提出が必要です。利用料金は無料です。

授業でAkaDako生成AIを利用する際は、パソコンやタブレットにAkaDakoデバイス本体をUSB接続しておく必要があります。もしデバイスをお持ちでない場合でも、ネット上で実践内容を公開したり公開授業で使用したりするなど、活用事例を共有いただける先生にはデバイスの無償レンタル(最大1ヶ月,40台)を受けられる制度があります(いくつかの条件にご同意いただく必要があります)。利用環境としては、WindowsやChromebookの場合は通常のWebブラウザ上でScratch(AkaDako拡張機能)を使用できますが、iPadの場合はScratch専用ブラウザ「Scrub」を利用してください。
第1期パイロット校一覧
千葉県 印西市教育委員会
北海道 札幌市立大谷地小学校
青森県 五所川原市立五所川原小学校
宮城県 仙台市立虹の丘小学校
茨城県 つくば市立みどりの学園義務教育学校
茨城県 つくば市立竹園西小学校
埼玉県 久喜市立久喜小学校
千葉県 柏市立土小学校
東京都 東大和市立第八小学校
石川県 加賀市立橋立海青学園
愛知県 常滑市立大野小学校
北海道 三笠市立萱野中学校
岩手県 岩手大学教育学部附属中学校
山形県 山形大学附属中学校
山形県 酒田市立第三中学校
茨城県 高萩市立松岡中学校
茨城県 守谷市立愛宕中学校
茨城県 小美玉市立美野里中学校
埼玉県 さいたま市立浦和中学校
埼玉県 さいたま市立美園南中学校
東京都 日本女子大学附属中学校
長崎県 長崎大学教育学部附属中学校
千葉県 千葉県立市川工業高等学校
愛知県 菊華高等学校
三重県 三重県立昴学園高等学校
山形県 山形大学
大阪府 大阪大谷大学 教育学部
お問い合わせ
AkaDako生成AI(β)に関する質問や詳細情報のご希望は、公式サイトのお問い合わせフォーム(https://akadako.com/contact/)より受け付けています。ご不明な点や導入のご相談がありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。研修会や勉強会の開催支援なども全面的にサポートいたします。
※学校・教育機関以外への提供につきましては、有償提供を予定しております。(取り急ぎはGAIを使うと同等の事が実現可能です)