1. 生徒の様子
生徒たちは、身近な課題や社会問題を自らの手で解決するため、主体的に試行錯誤を繰り返す姿を見せた。グループ内で案を出し合い、協力してプログラムを作成した。予期せぬ動きに笑い合うなど、活動自体を楽しみながら進める様子が見られた。
- 論理的思考と工夫: 自分の意図した動きを実現するために筋道を立てて考え、AIへのプロンプトを工夫して改善を重ねることができた。
- 自己肯定感と意欲: 「自分たちでもプログラムを組んでやりたいことを実現することができる」という自信や達成感を抱いている。学んだ力を将来社会に出てからも活かしたいという前向きな発言もあった。
2. 成果
生成AI、センサー、AkaDako、プログラミング(Scratch)を組み合わせ、実社会の課題に対応する具体的なプロトタイプを開発することができた。
- 実効性のあるシステムの構築:
「出席数えモン」: Webカメラで教室を撮影し、AI空席を判断して欠席者の氏名を音声化するシステムを開発した。先生の朝の事務負担を軽減することを自らの目的としていた。 - 「起きロボ」: 授業中の居眠りをAIで判別し、モーターに付けたスズランテープでくすぐって起こす仕組みを実現した。
- 「ナビサイン」: 一時停止の標識をAIに認識させ、自動で車を停止させるとともに、日英二ヶ国語で標識の意味を読み上げる機能を完成させた。
- その他: 蜂の嫌がるハッカ油を噴射する「撃蜂くん」や、荷物運搬用の「MonoRIN」などの試作が行われた。
- 資質・能力の向上: 科学、技術、工学、数学などを横断的に活用し、「正解のない問い」に挑む姿勢や目標達成能力が身についた。
3. 改善点
実践を通して、技術的な制約や物理的な構造、さらなる利便性向上に向けた課題が明確になった。
- AIの認識精度と環境対応: 太陽光による認識不良や、AIの判断を下すまでのタイムラグ(処理速度)が課題として挙げられた。また、居眠り判別において、学習させた以外の多様な姿勢への対応が不十分である。
- 物理的・ハードウェアの課題:
モーターが重すぎて支えきれなかったり、タイヤが外れたりするなど、機体の耐久性や設置構造に改善の余地がある。
タイヤの固定にガムテープではなく木材などの強固な素材を使用する必要性が指摘された。 - システムの高度化と利便性: 特定の時間に自動起動するプログラムや、デバイスの小型化、英語以外の多言語対応(中国語など)を求める意見が出ている。
- 実証性の強化: 開発した仕組みが実際に「蜂」などの対象に有効であるかを実証実験によって確認することが、信頼性を高めるために必要とされている。
これらの課題や改善点は、文化祭でのデモンストレーションやアンケートを通じた客観的なフィードバックに基づき、さらなるブラッシュアップの指針となっている。
